巣の種類には意味がある?
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この記事で分かること
- 巣の種類ごとに、カードは何枚あるのか
- 生息地によって、置ける鳥の巣は偏るのか
- 巣の種類ごとに、カードの特徴は違うのか

1.巣のマークは、飾りなのか
ウイングスパンの鳥カードには、卵の上限数の上に巣のマークが描かれています。地上、椀型、樹洞、台状の4種類と、どれとしても数えられるワイルド。
遊んでいるあいだ、このマークを気にするのはボーナスカードとラウンド目標に関係するときだけです。それ以外の場面では、あまり意識しません。
では巣の種類は、その2つのためだけの飾りなのでしょうか。
ルールの上では、巣の種類は鳥を置ける場所に何の影響もありません。置ける場所は、カードに描かれた生息地のマークだけで決まります。
ただ、この4種類は実在の鳥の巣の形からきています。地面に産むもの、枝を積むもの、木の穴を使うもの。だとすれば巣の種類は、その鳥がどんな鳥かをある程度言い表しているはずです。
ルールとして関係がなくても、カードの中身に偏りが出ることはありえます。巣の種類ごとに、得点や卵の数、置ける生息地に傾向があるかもしれません。
今回は巣の種類に関して分析してみます。
2.557枚を巣で分ける
使用するのは、カード検索サイト Wingsearch が公開している鳥カードのデータです。プロモを除く本体5セット557枚を対象にしました。
navarog/wingsearch - GitHubWingspan のカード検索サイト Wingsearch のソース。全カードのデータがJSONで公開されています(GPL v3)。github.comgithub.com3.枚数は、きれいに均等
まず、巣の種類ごとの枚数です。
※ 記事内で説明した集計をもとに作成した図です。
主要な4種類は128枚から120枚のあいだに収まっています。割合にすると21.5%から23.0%。ほぼ均等に分布しています。
ワイルドは60枚で10.8%。巣なしは7枚だけで、これは餌コスト0のハゲワシとコンドルの仲間です。
この分布は、拡張を足してもほとんど変わりません。拡張なしの180枚でも地上23.3%・椀型22.2%・樹洞22.2%・台状21.7%で、すべて揃えた557枚とほぼ同じでした。どの拡張も、巣の均等さを崩さないように設計されているようです。
枚数だけを見れば、巣に偏りはありません。
4.ところが、置ける場所は偏る
次に、巣の種類ごとに、生息地の傾向はあるのかを見てみます。
- 森
- 草原
- 湿地
※ 1羽が複数の生息地に置けるため、置ける場所の枠の数を数えて割合にしています。右の数字はその巣の鳥が持つ枠の総数。帯の中の数字は割合(%)。
巣によって、寄る場所が正反対になります。
樹洞はちょうど半分が森です。椀型も45.2%が森で、この2つは木のある場所に寄っています。どちらも木を使う巣なので、筋は通っています。
反対に、地上と台状は湿地に寄ります。地上は森が14.9%しかなく、湿地46.4%と草原38.7%で8割を超えます。台状も湿地44.3%が最も高くなっています。水辺や開けた場所の巣、ということになります。
ワイルドだけ、3つがほぼ三等分です。巣の種類を選ばないカードは、置ける場所も選ばないようにつくられているようです。
草原はどちらにも寄りません。7枚しかない巣なしを除けば、どの巣でも25%から39%の間に収まります。最も高い巣と最も低い巣の差でいうと、森は35ポイント、湿地は28ポイント開くのに対し、草原は14ポイントしかありません。どの巣の種類でも、草原になら置ける可能性は高いです。
この偏りが拡張で変わらないかも確かめました。タブを切り替えると、各段階の内訳が見られます。
巣の種類ごとの、置ける生息地の内訳(拡張を足していった5段階)
巣の種類ごとの、置ける生息地の内訳
| 巣の種類 | 森 | 草原 | 湿地 |
|---|---|---|---|
| 地上(58枠) | 10枠 (17.2%) | 25枠 (43.1%) | 23枠 (39.7%) |
| 椀型(69枠) | 30枠 (43.5%) | 24枠 (34.8%) | 15枠 (21.7%) |
| 樹洞(55枠) | 29枠 (52.7%) | 13枠 (23.6%) | 13枠 (23.6%) |
| 台状(53枠) | 12枠 (22.6%) | 14枠 (26.4%) | 27枠 (50.9%) |
| ワイルド(26枠) | 7枠 (26.9%) | 8枠 (30.8%) | 11枠 (42.3%) |
| 巣なし(2枠) | 0枠 (0.0%) | 2枠 (100.0%) | 0枠 (0.0%) |
※ 1羽が複数の生息地に置けるため、置ける場所の枠の数を数えて割合にしています。
樹洞の森は5段階すべてで47〜53%、地上の湿地は40〜46%(拡張なしのみ39.7%)に収まります。どの拡張を足しても、巣と場所の寄り方は変わりません。拡張のカードも同じ傾向で作られている、ということになります。
5.巣によって、カードの性格も違う
置ける場所のつぎは、カードの特徴です。巣の種類ごとに、平均得点と平均卵上限を出しました。
平均得点
平均卵上限
※ 記事内で説明した集計をもとに作成した図です。単位が違うため、グラフごとに目盛りを取っています。
どちらも台状だけ平均値が他と大きく異なります。
台状の鳥カードの平均得点は4.45点と6種類のなかで最高。一方、卵の上限2.37は最低です。他の3種類が3.0前後で揃っているなか、台状だけが得点寄りに振られています。
台状の巣を集めると点は伸びますが、卵は置きにくくなります。巣の種類を揃えるボーナスカードを狙うとき、台状だけは他と戦略を変える必要がありそうです。
「巣なし」の7枚は、餌コスト0のハゲワシとコンドルです。餌がいらない代わりに卵も置けません。
台状だけ違うのは、鳥の種類が違うから
ここまではカードの数字を見てきました。今度はカードの特徴ではなく、そこに描かれている鳥そのものの特徴で分けてみます。カードには実在の鳥の翼長と、その鳥が食べる餌が載っています。
まず体の大きさ、つまり翼長です。
※ 記事内で説明した集計をもとに作成した図です。
台状は平均108cm、椀型は29cm。3.7倍の開きがあります。
巣の形と体の大きさが結びつくのは、実際の鳥がそうだからです。台状の巣は枝を積んだ大きな皿で、コウノトリやワシやサギのような大型の鳥がつくります。カードのなかで最も大きいのはオオハゲコウの翼長261cm。対する椀型は小枝と草で編んだ小さな器で、スズメやハチドリのような小鳥のものです。椀型で最も小さい鳥はハチドリの仲間で、翼長は8cmしかありません。
食べる餌にも同じ傾向が出ます。
- 無脊椎動物
- 種
- 魚
- 果物
- ネズミ
- 花蜜
- ワイルド
※ カードに描かれた餌アイコンの個数を、巣の種類ごとに集計して割合にしたものです。帯の中の数字は割合(%)で、右の数字は集計したアイコンの総数。
台状だけ、帯の色が違います。ネズミ27%と魚23%で半分を占め、種はわずか9%。魚を捕るサギやカワウ、獲物を狙うワシやタカが集まっているからです。
他の巣は、どれも無脊椎動物が3割から4割で並びます。違いが出るのは種と果物です。地上は種37%に対して果物5%、椀型は種27%に対して果物20%。地上で草の実をついばむ鳥と、木の実をとる小鳥の差がそのまま出ています。
台状の卵の上限が低いのは、大型の鳥ばかりだからです。
大きな鳥は、一度に産む卵が少なくなります。実際の鳥がそうで、カードもその傾向をなぞっています。翼長と得点・卵の上限の関係は別の記事で詳しく調べたので、そちらをご覧ください。
翼長が大きい鳥は強い?549枚の翼長を、得点や卵の上限と突き合わせた記事です。大きい鳥ほど点は高いが卵は置けない、という関係が出ています。datasanpo.com
6.🔍 ちなみに、どうやって調べた?
分析方法をくわしく見る
使用したデータ
カード検索サイト Wingsearch のソースに含まれる鳥カードのデータ(GPL v3)です。実体は src/assets/data/master.json 1ファイルで、2026年8月時点のものを取得しました。鳥カードは707枚あり、うちプロモ150枚を除いた本体5セット557枚を対象にしています。
使用した列と、集計のしかた
| この記事での呼び方 | 元データの列 | 入っている値 |
|---|---|---|
| 巣の種類 | Nest type | ground / bowl / cavity / platform / wild / none |
| 餌 | Invertebrate ほか6列 | 必要な個数(0〜3) |
| 森・草原・湿地に置けるか | Forest / Grassland / Wetland | 置ける鳥に「X」、置けなければ空欄 |
| セット | Set | core / european / oceania / asia / americas |
- 1巣の種類ごとの枚数は、Nest type の値を数えたもの
- 2生息地ごとの内訳は、その生息地の列に「X」が入っている鳥だけを集めて、巣の種類の割合を出したもの
- 3複数の生息地に置ける鳥は、どちらの集計にも含めている。そのため3つの生息地の枚数を足すと総枚数を超える
- 4「拡張なし」「+欧州の翼」…は、その時点で持っているカードをすべて合わせた累計
分析上の注意点
- カードの枚数を数えたもので、実際に引ける確率や、ゲーム中の使いやすさは評価していない
- ラウンド終了時の共通目標にも巣の条件があるが、今回のデータには含まれていないため扱っていない
- ワイルドの巣は4種類すべてとして数えている。実際のルールと同じ扱い
7.まとめ
巣の種類は、ボーナスカードのための飾りではありませんでした。
巣の種類によって、置ける生息地に傾向があることが分かりました。この情報は、巣の種類を集めるボーナスカードを狙う際に役立ちます。「樹洞や椀型のボーナスが来ると、森林を育てる戦略になりそう。」、「地上と台状のボーナスだと、湿地に置く可能性が高いので、湿地を空けておく必要がある」などです。
- 主要な4種類の枚数はほぼ均等(21.5〜23.0%)で、拡張を足しても変わらない
- 樹洞と椀型は森に寄り、地上と台状は湿地に寄る
- 草原だけは巣による差が小さく、どの巣の鳥も置ける
- 台状は平均翼長108cmと大型の鳥ばかりで、卵の上限が最も低い

よくある質問
- ウイングスパンの巣の種類は何のためにありますか?
- 巣の種類を条件にするボーナスカードと、ラウンド終了時の共通目標で使います。ただしそれだけではなく、557枚を数えると巣の種類ごとに置ける場所がはっきり偏ります。樹洞は置ける枠の50.0%が森、地上は46.4%が湿地です。手札に来た巣のマークで、その鳥をどの列に置くことになるか見当がつきます。
- ワイルドの巣(星マーク)は何枚ありますか?
- 全557枚のうち60枚、10.8%です。ワイルドは4種類すべての巣として数えられるので、そのぶん枚数は少なく設定されています。拡張なしの180枚では17枚しかありません。
- ウイングスパンの巣の種類で性能に違いはありますか?
- 台状の巣が特徴的です。平均得点4.45点と6種類のなかで最も高い一方、卵の上限は2.37個と最も低くなっています。他の3種類(椀型・樹洞・地上)は卵の上限が3.0前後で揃っており、台状だけが得点寄りに振られています。台状の巣を持つのは平均翼長108cmの大型の鳥で、魚やネズミを食べる捕食者が多いためです。
- 巣の種類ごとの枚数に偏りはありますか?
- 主要な4種類(地上・椀型・樹洞・台状)はほぼ均等で、全557枚ではそれぞれ21.5〜23.0%です。ワイルドが10.8%、巣なしが1.3%。この構成は拡張を足してもほとんど変わりません。
